お知らせ

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カーボンリサイクル共同研究デザイン連携講座が行われました。

本プラットフォームの人材育成分野において、「カーボンリサイクル共同研究デザイン連携講座」を10月より開講しました。

この講座は、同志社大学の教育原点である「良心教育」に基づき、社会人と学生が共修する「『次の環境』協創コース」と連携し、環境問題に果敢に取り組む未来の「社会イノベーター」を育むことを目的としております。

昨年度は共同講座として開催致しましたが、本年度は正規科目として実施し、一般財団法人エネルギー総合工学研究所に加え、公益財団法人地球環境産業技術研究機構から、先端研究を行っている講師の方々をお招きし、技術フォーラムに参画いただいた各企業の社員および同志社大学の大学院生を対象に行われました。

「基礎講義」「専門技術特論Ⅰ・Ⅱ」「カーボンニュートラル特別講義」「イノベーションデザイン演習」を開講し専門的技術を教授いただくと共に、最終回では、技術・知識を活用するためのデザイン思考の演習を行いました。

最終日となる11月18日(土)に対面形式で開催した「イノベーションデザイン演習」では、
「カーボンニュートラルへの挑戦:“2050年、CO₂排出削減に貢献する街づくりイノベーション”」をテーマにグループワークを行い、新技術アイデアを元に活発な議論が行われ、技術開発計画を作成・報告を行いました。

成果報告会終了後、石川正道特別客員教授より受講生に修了証の授与が行われ、本年度の講座は修了となりました。

来年度以降も講座内容をブラッシュアップし、カーボンニュートラルに関して産学の垣根を超えた更なる共同研究の発展を目指します。

溶融塩電解により二酸化炭素をアセチレンとして再利用できることを実証!同志社大学とダイキン工業株式会社によるカーボンニュートラルに向けた共同研究の成果

同志社大学とダイキン工業株式会社は、溶融塩電解により二酸化炭素(CO2)を合成樹脂の原料や金属の溶接で使用するアセチレンとして再利用できることを実証しました。

溶融塩電解は、高温の溶融塩※1のなかで電気分解する方法で、かねてより同志社大学 理工学部の後藤 琢也教授らが研究を進めてきました。今回、両者の共同研究により特定の金属塩化物と金属酸化物からなる高温の溶融塩にCO2を投入し、電気分解を行うことで、アセチレンの主原料であるカーバイドが合成できることを発見しました。このカーバイドと水を反応させることで、アセチレンを生成することが可能です。

将来的には、CO2を大量に排出する火力発電所や製鉄所などに本技術を活用することで、大気に排出されるCO2の削減に貢献することが期待できます。今後は社会実装に向けて、製造プロセスやエンジニアリングの研究を進めていきます。

日本が掲げる2050年カーボンニュートラル社会を実現するには、再生可能エネルギーや水素など、あらゆる技術的な選択肢を活用する必要があります。なかでも、CO2を資源と捉えて多様な有価物として再利用するカーボンリサイクルは注目されています。経済産業省は2050年時点のCO2リサイクル量が最大約1~2億トンになると試算しています※2。本技術は、カーボンリサイクルとして実用化が検討されているメタネーション※3やe-fuel※4と同様に有用な技術であると考えており、CO2リサイクル量の更なる拡大に貢献します。

同志社大学とダイキンは、2020年から環境課題をテーマにした実践的研究開発を行うための包括連携協定を締結しました。共同で設立した同志社-ダイキン「次の環境」研究センター※5では、CO2の有効利用や空調機の要素部品の最適設計など、様々な共同研究を進めています。本成果を皮切りに、カーボンニュートラルに向けた技術開発をさらに加速させます。

なお、今回の成果は、2023年11月12~16日に京都市で開催された溶融塩国際会議「2023 Joint Symposium on Molten Salts(MS12)」において、同志社大学とダイキンが共同で発表しています。

※1:塩や酸化物のイオン結晶の固体を高温に加熱して融解し液体にしたもの
※2:経産省『カーボンリサイクルロードマップ』20230623_01.pdf (meti.go.jp)
※3:水素(H2)とCO2を化学反応させ、都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術
※4:CO2と水素(H2)を原材料として製造する石油代替燃料
※5:2020年4月に同志社大学京田辺キャンパス内に設立した同志社―ダイキン産学連携の拠点

具体的な研究概要および本件に関するお問い合わせについては、下記をご確認ください。

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